材料の選択射出成形金型金型の品質を直接決定するので、材料を選択する際の基本的な要件は何でしょうか?
1) 優れた機械加工性能
射出成形金型部品の製造は、その多くが機械加工によって行われます。高速加工を実現するには、優れた機械加工性能が不可欠です。加工工具の寿命を延ばし、切削性能を向上させ、表面粗さを低減することで、高精度な金型部品を得ることができます。
2) 十分な表面硬度と耐摩耗性
プラスチック製品の表面粗さ、寸法精度、そして射出成形金型の寿命は、射出成形金型表面の粗さ、硬度、耐摩耗性に直接関係しています。そのため、高い耐摩耗性を確保し、金型の寿命を延ばすためには、射出成形金型の成形面は十分な硬度を有し、焼入れ硬度は55HRC以上である必要があります。
3) 十分な強度と靭性
射出成形金型は成形工程において金型キャビティの締め付け力と射出圧力に繰り返しさらされるため、特に大型・中型で複雑な形状の射出成形金型の場合、金型部品の材料は使用要件を満たすために高い強度と優れた靭性を備えていなければなりません。
4) 研磨性能が優れている
プラスチック製品に高光沢表面を得るためには、成形品の表面粗さを小さくする必要があり、そのため成形品の表面を研磨して表面粗さを低減する必要があります。研磨性を確保するためには、選択する材料に気孔や粗い不純物などの欠陥がないことが必要です。
5) 良好な熱処理プロセスを備えている
金型材料は、必要な硬度を得るために熱処理に頼ることが多く、そのためには材料の良好な硬化性が求められます。プラスチック射出成形部品は形状が複雑な場合が多く、加工のための焼入れがより困難、あるいは全く加工できない場合もあります。そのため、金型部品は熱処理後の加工量を削減するために、熱処理変形の少ない材料を選択するようにしてください。
6) 優れた耐食性
一部のプラスチックおよびその添加剤は成形時に腐食性ガスを発生するため、射出成形用金型材料の選択にはある程度の耐腐食性が必要です。さらに、ニッケル、クロムなどの処理を施すことで、金型キャビティ表面の耐腐食性を向上させることができます。
7) 優れた表面処理性能
プラスチック製品には美しい外観が求められます。パターン装飾には金型キャビティの表面に化学エッチングパターンを施す必要があるため、金型材料にはパターンのエッチングが容易で、パターンが鮮明で、耐摩耗性があることが求められます。
投稿日時: 2022年8月10日